オレンジ・キュラソー(orange curaçao)は、ホワイトスピリッツやブランデーにオレンジの皮の香味成分と糖分を加えたキュラソー (curaçao) という分類の酒(リキュール)の一種です。
キュラソーは大雑把に色で分けることができ、4種類が存在しています。オレンジ・キュラソー、ホワイト・キュラソー(white curaçao)、そして、ホワイト・キュラソーに着色を行ったブルー・キュラソー(blue curaçao)、レッド・キュラソー(red curaçao)です。
また、キュラソーの中でもオレンジ・キュラソーのみは樽熟成を経ており、後述の通り、ブランデーの風味を活かした製法が基本となっています。それ以外の3種類、ホワイト・キュラソー/ブルー・キュラソー/レッド・キュラソーは樽熟成を経ていないことが特徴ともいえます。
オレンジ・キュラソーの中では、グラン・マルニエ(Grand Marnier)が有名なブランドとなっており、中でも、グラン・マルニエ・コルドン・ルージュ(Grand Marnier Cordon Rouge)が一般的に入手しやすいといえるでしょう。コルドン・ルージュ(Cordon Rouge)とは「赤い(rouge)帯(cordon)」という意味で、瓶に赤い帯(リボン)がかけられているのが特徴となっています。
グラン・マルニエの製造元はマルニエ・ラポストル社(Marnier-Lapostolle)で、パリ西方の村ノーフル・ル・シャトー(Neauphle le Chataue)で1827年にジーン・バティスト・ラポストル(Jean-Baptiste Lapostolle)が蒸留所を設立したのが前身で、チェリー・マルニエ(Cherry Marnier)などのリキュールを中心に製造していました。
ジーンの息子のユジェーヌ(Eugene)がその後蒸留所を引き継ぎ、1870年にコニャック地方(the Cognac region)を訪れ、コニャックの蒸留所で購入した大量のコニャックを家族や知人の間に広めていきます。
その中に、後にユジェーヌの娘婿となるルイ・アレクサンドル・マルニエ(Louis-Alexandre Marnier)がいました。ルイ・アレクサンドル・マルニエは特に1849年に設立されたコアントロー社の製品であるオレンジ・リキュール(ホワイト・キュラソー)のトリプル・セック(triple sec:いわゆる「コアントロー」)に対抗できるようなオレンジ・リキュールを作ることに興味を持っており、ユジェーヌがパリにもたらしたコニャックをオレンジ・リキュールで活かすことの可能性を模索し続けました。
その過程でルイはユジェーヌと結婚してラポストル家の一員となり、マルニエ・ラポストル(Marnier-Lapostolle)社として1880年にコニャックの中にオレンジの香りを溶かし込んだ新製品グラン・マルニエを発売して成功をおさめ、現在に至っています。
オレンジ・キュラソーはオレンジを使用したリキュールですが、果汁や果肉が使用されているわけではなく、果実の皮が使用されています。グラン・マルニエの場合は、ハイチ産のビター・オレンジの果肉を取り除いた皮を内側の白い内皮と薄い外皮とに分けて削り取り、自社のコニャック蒸留所であるシャトー・ド・ブール(Château de Bourg)の無色透明のブランデーに漬け込み、蒸留を経た後に他の様々なコニャックやシロップ等をブレンド、ホワイト・オークの樽で半年の熟成を経た後に濾過を行い、ボトリングしています。
![]() | 『グランマニエ コルドンルージュ(Grand Marnier Cordon Rouge) オレンジ・キュラソーといえば、これ。洗練された上品な味わい。 |
| 【ボルス オレンジキュラソー 多くのリキュールを発売している、ボルス社のオレンジキュラソー。画像は旧ボトル。 |

