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序章 3 象徴の世界観:論文『理の終焉』

 この世界は様々な事物や現象によって構成されているが、その事物や現象の一つ一つの属性が個別に働くことによってこの世界が動いていると解釈する世界観を、この論文では「象徴の世界観」と呼びたいと思う。

 「象徴」とは無形的なものが有形的なもので表現されているもののことをいう。あるいは、人間の内面的な感情や思考を外面に投射し、それを個々の具体的な事物のイメージで表そうとしたもの(『シンボル・イメージ小事典』)である。このことを踏まえて、個々の事物あるいは現象という有形的なものの存在の背後にそれぞれの属性という無形的な存在を考え、その無形的なものの融合として世界を捉えていく世界観を「象徴の世界観」と呼ぶことにする。それぞれの属性の個別の働きを考えていく世界観であるから、世界の全てのものを統括する存在といったものは、象徴の世界観においては考えられることはない。それぞれの存在は独立したものとして尊重されるのである。

 また、この世界観においては人間の内面が外面に投射されたということが大きな意味を持ってくることに注意したい。つまり、象徴とは元々「人間の内面的な感情や思考を外面に投射し、それを個々の具体的な事物のイメージで表そうとしたもの」であり、これは言い換えれば「象徴の根本にあるのは人間の感情である」ということにもなるからである。以上のことから文中で「象徴」という言葉は「複数の独立した存在の中のうちの一つで、その具体的な形質の裏になんらかの意味や概念が付与されているもの」という意味で使うことにする。

written by 成瀬隆範転載/引用掲示板ブログ
CDalbum ◆ アト・ド・フリース 『イメージ・シンボル事典』大修館書店
 故事伝承や聖書の内容など、言葉や事物に内包されるイメージやシンボルを網羅。

>>論文『理の終焉』目次<<