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『コインランドリー』

 いつまでも馬鹿みたいに、ただ回り続ける色とりどりの、丸窓の中の洗濯物、万華鏡のように、ひとつとして同じ形にならない、ぐるぐると、ぐるぐると、低くうなる機械の音、なぜか黄色く細い太陽の光、澱んでいる空間、止まってしまった時間、この街の生活のように、いつまでも変わらない動き、いつまでも前に進まない、ぐるぐると回る洗濯物、回れば回るほど、きれいになる洗濯物、繰り返せば繰り返すほど、汚れを振り落とす洗濯物、ぐるっと周りを囲む丸窓、小さな四角い部屋、主のいないベンチ、薬の乾いた匂い、古ぼけた空気、疲れたような人のため息、読み捨てられた雑誌、生きていれば、汚れていくのが当たり前、それでも、その汚れを受け入れきれない人間の、ぐるぐると回る生活への疲れ、汚れ、あきらめ、丸窓の中では、きれいになってゆく洗濯物、丸窓のなかでは、汚れが落ちてゆく洗濯物、ぐるぐると、ぐるぐると、丸窓の中に入れない生活は、ぐるぐると、ぐるぐると、汚れを塗り重ね、疲れを積み重ね、丸窓の外では、ぐるぐると、ぐるぐると、いつまでも、きれいにはならない生活の汚れ。

2005年05月25日

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