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『手紙』

朝になったら破り捨てる、そんな気持ちで書く手紙、自分の心を確かめる、それだけのために書く手紙、出てくる言葉はひとつずつ、ぽつりぽつりと心の音が、点と線とで踊る文字、指先に伝わる感触、時折の紙の香り、染み込んでゆくインク、少し書いては顔を上げ、顔を上げては考えて、伝えるつもりのないものを、置き去るように書く手紙、いつになっても言葉とは、仲良くなれない言葉とは、ただそれだけを確かめて、いつまで経っても伝わらぬ、そんなことへの言い訳を、確かめるために書く手紙。

ゴミ箱の中にたまる想い、叶わなかった願い、くしゃくしゃに丸めて捨てた心、次から次へと丸くなり、ふわふわになって重なって、次から次へとこぼれゆき、結局は破れない手紙、丸めて投げて捨てた気で、重なってゆく綺麗なゴミ、捨てたのだから、それはゴミ、いらないのだから、それはゴミ、そんなものいらない、そんなものいらない、どんなにそれが綺麗でも、叶わぬ気持ちはもういらない。

2005年06月21日

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